見張り
見張り
ラッテは、毎日、見張りをする レースのカーテン越しに、二匹のとかげの行動を真剣に見つめる とかげの行動と言っても 私には、彼らはだだ石の上を横切るだけにしかみえないのだが。。。 横切るという行為を見つめるだけのために ラッテは長い時間じっと待つ 別に 他に用があるわけではないのだから長時間待っていても ラッテ自身、なにも困ることはないと思う だけど わたしは、彼にくらべれば 何かと忙しい 掃除機を抱えていたり、キッチンでバタバタしながらも 午後のある時間になると ラッテの目の先が気になる 気になる! 午後のある時間というのは、 例の石の上に、太陽がふりそそぐ時間帯のことで それは、季節や気候により異なる ラッテはかれらの登場時間帯を知っているらしく そろそろになると定位置に座り込むのだ 凄い能力だー!といつも感心してしまう さて、そのとかげだが 二匹とも揃いもそろって痩せていて からだが小さくて貧相だ その上 二匹のうちの一匹には尻尾がない 尻尾の切れたとかげは、少し太ってみえるが それは、眼の錯覚で 体躯が不自然に短いだけのことだと思う あとの一匹は、だだ痩せている、そして小さい 二匹の登場には少しだけ時差がある 時差をつけ、登場し 何度か、その石の上を行き来してから退場する 続きは、また、明日。。。という次第 日盛りに とかげ、白猫、私、の順に立つ とかげと猫は、「あー暑い!」なんてブツブツ言わない わたしは 白い石の上をとかげが何時ものように通り過ぎるのを 確認してから 石の上に刻まれた窪みや 地面にきれいな葉陰を落としている柿の木を見上げる 時間が止まったように感じ 蝉の声も止まる 手を伸ばせば触れることができる自然界の営み そこにじぶんがスッポリ 入り込んでいるのを感じることができる 最近 ラッテと共にとかげの見張りをする不思議な時間に 一瞬 もう一人のわたしが みているような 気がするようになった 猫と共に生きているだね。。。と 誰かに 囁かれたような気もしている
by artartart100
| 2013-08-08 22:54
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