遅れてきた形
絵を描いている間、気づかずに量を追っていたのではなかろうか
量を追いかけるだなんて
工芸の世界では考えられない事なので
自分のしてきたことがハッキリそうだと分かったとき
本当に途方にくれてしまった
大げさに言えば
過去という、はしごをぱっとはずされた思いがしたのだ
いままで
彫刻 絵画 工芸と
懲りずに魅力を感じたものに飛びついてきた
在る時期、魅力を感じなかったものが
急に親しげに感じられたりもする
生きていくということは不思議を生むのだ
子育てや、夫の転勤に沿っていくというわたしの
生き方そのものが感性にも現れているのだろうか
今
自分の絵をみなおすと
驚くほどの力で形を無視しながら
存在の量を追いかけている
その作品には
量に苦しんでいるのがはっきりと見え、我ながら痛いたしいほどだ
絵で求めていたものは
実は彫刻で探していた量だったのだ
形の存在を感じていたい、今
毎日
花をじっと見つめている
かたちの魅力と
量のすごさは同時に表現できるのだろうか